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ウォーミング・アップをなぜするのでしょう

©1993 NAOC TM NAOC 7-056

ウォーミング・アップは準備運動


スポーツの試合のまえに、選手はウォーミング・アップをします。

ウォーミング・アップとは、読んで字のとおり、体温、特に筋肉の温度を高めるということで、そのために行う身体運動を準備運動といいます。
それでは、なんのために選手は準備運動をするのでしょうか。



3つの目的


ウォーミング・アップの目的として、次の3つがあげられます。

  1. 体温を高め、関節の動く範囲を広げ、筋肉をほぐすことにより、からだを激しく動かせる状態にして、スポーツを安全に、力強く出来るようにすること。
  2. 気持ちを、スポーツに集中できる状態にもっていくこと。
  3. 自分の体調をチェックする(調べる)こと。


試合の成績がよくなるのはなぜ?


では、なぜウォーミング・アップをすると、試合の成績や運動機能がよくなるのでしょうか。

これまでの研究結果の例を紹介しましょう。
(1) 800m走をウォーミング・アップをしないで走った時とウォ-ミング・アップをして走った時の違いを図に示しました。



神経は速く、筋の活動が楽に


ウォーミング・アップにより、体温が約1℃上昇し、800m走の記録も3人とも短縮しています。
これは、体温の上昇により神経の伝わり方が速くなり、また筋の活動も楽に行えるようになったからだと考えられています。



からだも柔らかく


(2) からだの柔軟性の測定に「立位体前屈」があります。
起床直後に測定した時と、起床後ストレッチ体操をして測定した時の比較を図にしました。


起床後ストレッチ体操をして測定した時のほうが、平均して5cm記録が良くなっています。
ストレッチ体操によって、からだがより柔らかくなったといえます。

このようにウォーミング・アップをすることは、からだを柔らかくしたり、スポーツの記録や成績を上げるためにも非常に大切なのです。