手足の切断手術は、病気(骨腫瘍や血行障害など)のほかに、交通事故や労働災害、戦争によるけがのために、
やむを得ず行われる手術です。
その結果、手足を失うという障害が一生残ります。
でも、切断手術を受けた多くの人たち(切断者という)は、リハビリテーションをすれば、仕事はもちろん、
さまざまなスポーツを楽しむこともできます。
2月の長野オリンピックのあと、3月から始まる長野パラリンピック冬季競技大会では、
世界から切断者のスキー選手が競技をするために集まります。
彼らの素哺らしいスキー技術をぜひ見て下さい。
このポスターは、障害を持った選手と、冬の代表的なスポーツであるスキーについて理解してもらうため制作しました。 心からの応援をお願いします。
太ももで、両足を失う切断です(図1)。このままでは歩くことはできません。 そこで、義足が必要になります。これをつければ、歩くことができます。 また、練習すればスキーもできるようになります(図2)。
チェアースキーが開発されてからは、義足で滑るよりもスピードがでるので、
チェアスキーを使う選手が多くなってきています(図3)。
長野パラリンピック大会でも、ほとんどの選手がチェアースキーのクラスで競技するものと思われます。
太ももで、片足を失う切断です。日常生活では義足を使うのが普通です。義足をつければ日常生活や仕事もできます。 しかし、スキーは義足をつけてするより、健康な足1本でした方がはるかにはやく、うまく滑れます(図5)。
パラリンピック大会では LW2 クラスで競技します。
このクラスには世界の強豪がひしめいています。
ただし、このようなスキーヤーは、普段から健康な足の筋力強化トレーニングが大切です。
ちなみに、同じ様な障害を持った人の走り高飛びの優勝記録(1996年アトランタパラリンピック大会)は、1m 92cmでした。
現在、走れる義足がすでに開発されています。
ですから将来の研究次第では、スキーを楽しめる義足もできるかも知れません。
膝下のところ(ふくらはぎ)で、両足を失う切断(図6)では、両方の義足が必要になります。 それをつければ日常生活や仕事も可能で、練習すればスキーもできます(図7)。
パラリンピック大会では LW3 クラスに出場します。
膝下のところ(ふくらはぎ)で、片足を失った場合には、日常生活はもちろん、義足を使えば、健常者以上にうまく滑ることもできます(図8)。
パラリンピック大会では、LW4 クラスに出場しますが、おそらくスキー操作からだけでは障害を見分けるのは困難だと思います。
滑降競技(1990年世界選手権)での男子優勝者のタイムから平均速度を計算すると(大久保調べ)
片大腿切断者の走り高跳び優勝記録 1m 92cm (1996年アトランタパラリンピック大会)