スピードスケートでは、選手は抽選により内側(インコーススタート)と外側(アウトコーススタート)に別れ、 2人1組で1周400mのダブルトラックを陸上競技と同じように左回りで滑り、タイムを競います。
コーナーでは内回りのほうが外回りより距離が短くなるため、フィニッシュラインの反対側のバックストレートで インとアウトの選手が入れ替わり、2人の距離が同じになるように滑ります。
種目には500m、1000m、1500m、3000m、5000m、10000mなどがあります。
各種目とも1回のレースだけで順位を決めますが、
500mだけは、高速で突入する第2カーブで、アウトコースを滑るインコーススタートの選手のほうが有利になるため、
インコース、アウトコースを1回ずつ滑り、その合計タイムで競うようにルールが改正されました。
スピードスケートの計時システムは、スターターのピストル音と同時に計測を開始し、 フィニッシュラインに置かれた光電管を通過するまでのタイムを1000分の1秒単位で計測します。
スターターがピストルの引き金を引くと、ストロボが光り、スタート信号がタイマーに送られます。
選手のスケートの刃の先端がフィニッシュラインを横切った瞬間がフィニッシュとなるので、
コースごとに設置する光電管はできる限り氷面に近くなるように設置されます。
また、1周ごとのラップタイムをスコアボードに表示したり、
ラップカウンターに残りの周回数を表示するなど、
観客に分かりやすいような工夫がなされています。
さらに、ハイスピードビデオを利用してフィニッシュの判定をはっきりと正確にすることもできます。
このシステムは、アルペンスキーのシステムと同じように、コンピューターによってオンラインで結ばれ、
役員、観客、新聞などの報道機関、テレビ視聴者などにタイムや順位を一瞬のうちに知らせることができる総合システムになっています。
ショートトラックスピードスケートには、500m、1000m、1500m、3000mなどの個人種目と、 3000m、5000mなどのリレー種目があり、 スピードスケートとは使用するトラックの大きさや競技方法が異なります。
普通、約111mのトラックを最大8名の選手が同時にスタートして順位を競い、 上位の選手が予選、準決勝、決勝と勝ち上がり勝者を決定します。 リレーの引き継ぎはバトンではなく、次の選手の腰の部分を両手で押すというとてもユ二ークな方法が取られています。
複数滑走のため、ゴール付近で混戦となった場合には着順判定がとても難しくなります。
そこでゴールラインの延長線上に設置されたスリット・カメラが、
ゴールに飛び込んでくる選手を1000分の1秒幅の連続スリット(線)で連続的にとらえ、
その映像をモニタースクリーンにに映し出して、着順とタイムを正確に決定します。
これまでの写真判定では現像に時間がかかっていましたが、
スリット・ビデオの導入によって一瞬のうちに行われるようになり、
さらにカラー化によって選手をユニフォームの色で簡単に区別できるようになりました。